§ 人生の横道、裏道、獣道。

梅田望夫さんが見ている、どこか遠い世界
勉強のできない人から職を奪う生き方の提案

via My Life Between Silicon Valley and Japan - 「ブログは面白いな」と改めて思った

参考:NEET問題つまみ食い。 : miamoto.net

自己言及というダッサいことをやってみる実験。

以前、NEET問題に関するエントリーを書き飛ばしたのだが、その中で世の中のルールを見極め、知恵と行動力があればわりといろんなことができる。だから本当はどうコケてもとりあえず生きていく事は可能なのだ。と書いた。その時はなんだか面倒くさくてその程度の表現でお茶を濁したのだが、その内容をとても丁寧に書いている人がいた。

勉強のできない人から職を奪う生き方の提案

「大卒の俺様がそんな仕事をするなんて!」といったプライドと無縁の人が、勉強ができない人の職域に入り込めば、気楽に暮らしていけます。

才能を十全に発揮することに関心がなく、結婚相手まで非才の人を選んだ母は、しかしこれまでの50余年、幸せな人生を送ってきたと思います。当人も常々そう語っているし、周囲の声も同じ。世の中には、こうした幸せの形があります。

ここで言及されているのは、高学歴者が下の階層(?)向けの職を浸食して楽しく逝きましょうという、とても正直な方法。梅田さんじゃないけど、よくもまぁここまで正直に書ききったなぁ、と。特に「才能を十全に発揮することに関心がなく、…」の部分は、まさに本音中の本音かと思われ。別に自分の能力を使い切るだけが人生じゃないというのはホントだと思う。

ただ、ココは納得いかない。

勉強のできない人から職を奪う生き方の提案

「イラストを描く」「コピーを書く」「ホームージを作る」といった作業を、依頼主の希望通りに期日を守って無料でやってのける人がたくさん出てくることは考えられない。いくら値崩れしたって、必ず人手をかけなければ作れない複製不可能な仕事については、最低限の値段が維持されるはず。そのための労働基準法でもあるのだし。そして、そういう低いレベルにおいては、勉強ができる人はできない人より優位であり、ほとんどそれだけで生き延びていけるのです。

まともに「食っていけるレベル」のイラストやコピー、それにホームページ(笑)を作れるようになるまでに、一体どれくらいの時間と費用がかかるのか調べたことあるのだろうか?

先に書いてしまうが、それらの職業でギリギリ食いつないでいける程度の腕を持つだけで、かなり長い時間の修練が必要なので、その修行期間中に食いつないでいくためのカネが必要だ。要するに、先立つカネがなかったら、腕を磨くだめの時間さえ確保できないのでそれらの職業に就くことはほとんどムリだと覚悟すべきだ。

また、そういう職人芸な市場ってのは絶望的なまでに実力主義な世界なわけで、デキるヤツのところには、それこそ勝手に仕事が舞い込んでくるようになるが、腕の悪い職人のところにはまったく仕事がまわってこない。強調しておくが、「まったく仕事が来ない」のだ。しかも腕の悪い人を救うシステムはそれらの業界にはない。つまり、最低限必要な努力をするための環境と必要な素養がない人は、それらの仕事をする権利を持っていないと考えるべきなのだ。

また、運良くそれらの職業に就けたとしても実入りがそれほどよくないのは確かなので、結婚したり子どもをつくったりすると「絶望的な歯痒さ」を感じたりすることがあるのは覚悟しなければならない。消費を楽しむような生活ができないのは当たり前としても、必要な経費を払うことさえままならないことだってある。妻を、あるいは子どもを、そのような環境にさらして、それでも平常心を保って生きていくことはできるだろうか。

だから、そのようなタフな状況にしっかり対処できるような精神的な強さのない人には、このような生き方は絶対に勧められない。カネがないことに由来するさまざまなカタチの「みじめさ」に対する耐性があるかどうか、充分に自問自答するべきだ。

夢見がちな人(笑)というのはそういった基本的なことさえまともに考慮できない人が多いのだから、安易に「楽な生き方」を勧めるべきではないと思うのだけど、どうだろう。確かに、ただ単に生きることそのものは可能だ。しかし、よりよく生きたいと思う気持ちにどのように決着をつけて生活を営むのかという問題は非常に奥深く、悩ましい。

カネがすべてではないのは間違いない。しかし、精神的な豊かさを得るためにもカネが必要だということは忘れないでほしいと思う。

「カネのないオーケストラから美しいサウンドが奏でられることはない。」

これは、歴史的な事実なのだ。

Posted by tomo at June 27, 2005 8:02 PM | ESSAY | TrackBack |

Comments

ご指摘の箇所、他にも私の意図と異なる解釈をされた方がいたので、後日、書き直そうと思いますけれども、まずはここで補足させてください。パソコンの普及で一番割を食ったのがデザイン・印刷業界です。ホームページ製作なども、1流どころ以外はどんどん厳しくなっていくでしょう。近い将来、ふつうの派遣事務員がイラストも描くようになると私は予想しています。つまり、デザイナーとして生きていけない人が、単なる事務員に職種を変えて、「同じ給料なら私の方が特技がある分、お得ですよ」と売り込んでいくことになる。現在、3流レベルのデザイナーは、技能を高めずに「イラストも描ける事務員」になるか、技能を高めて「デザイナー」として生き残っていくか、その選択を迫られるでしょう。「一般人より優れた技能」があれば、給料の差別化を求めない限り、無能な人間よりは重宝されるはずです。いずれにせよ、イラスト事態が無用になったわけじゃないわけで、誰かが描かなければいけない。事務員の身分で描くか、デザイナーとして描くか、その違いはあれど、仕事自体はなくならないんだよ、という話です。

Posted by: hkt_o at June 28, 2005 12:06 PM

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