フィレンツェの古豪フィオレンティーナに移籍したナカータ。ヌメロ・セッテはおいちゃんのものなので、パルマに続きまたしてもヌメロ・ディエーチを背負うことになった。(移籍後のインタビュー1、2)
ヴィオラのヌメロ・ディエーチといえばひと際重要な意味を持つが、近年活躍したヌメロ・ディエーチの中では、やはりルイ・コスタを上げないわけにはいかない。ルイ・コスタの動向はこれまでのナカータの進路に(間接的ではあるけど)影響を与えてきたが、今回ヴィオラにやってきたナカータは、これまでよりも直接的にルイ・コスタの幻影と戦わなければならないだろう。
発端といってよいかどうかは微妙だが、ルイ・コスタとナカータがすれ違う最初の機会はASローマからパルマへの移籍にさかのぼる。当時のパルマは優秀なトレクアルティスタを熱望していて、一時その候補の筆頭にルイ・コスタが上がっていたらしい。しかし、ご存知のとおりルイ・コスタはミランへ移籍。そこで、ASローマのスクデット獲得に多大な貢献をしたスーパー・サブ、ナカータを獲得に向かったらしい。(参考:Web CALCiO2002 : 4日間でルイ・コスタのミラン入りを決め、ナカタのパルマ入りを実現させた男)
当時から、ナカータには影の比較対象としてルイ・コスタの名前が上がっていたわけだ。そして、その結果を見ると、移籍後初シーズンはルイ・コスタ、ナカータともに不調に苦しんだ。ルイ・コスタのダメっぷりもなかなかだったが、ウリビエリ指揮下でのナカータのだめっぷりはあっぱれ(?)なものでホントにダメダメだった。その後コーチが2転3転した後、カルミニャーニ・コーチ指揮下でメッツァーラとしてナカータは復活し、パルマのコッパ・イタリア優勝に貢献したのは今となっては懐かしい思い出だろう。
その最初のつまづきの印象は、その後のナカータのキャリアに大きな影響を及ぼしたといっても間違いではないだろう。カルミニャーニ・コーチ、そしてホセ・カレーラスにちょっと似ている、後任プランデッリ・コーチは、ナカータをトレクアルティスタとは見なしていなかった。中盤あるいはサイドでの起用が多くなり、クラブではトレクアルティスタとしてプレーすることはなくなってしまった。その結果、ペルージャ期とは異なり、今となってはナカータをファンタジスタに挙げる人はいない。
しかし今回移籍してきたヴィオラのモンドニコ・コーチは、ナカータをトレクアルティスタあるいはセコンダ、テルツァ・プンタとして認識しているようだ。恐らく、彼は怪我から復帰したナカータをトレクアルティスタとして起用するだろう。確かに、フリウリから移籍してきたヨルゲンセンやトリノから来たミッコリも同じポジションでプレーすることはできる。しかし、ヴィオラの左サイドの人材はそれほど粒がそろっているわけではないので、恐らくヨルゲンセンは左サイドを主戦場にするだろう。ミッコリにいたってはより前のポジションにいたほうが力を発揮するタイプなので、プリマであるリガノのパートナーとして、マドリーから移籍してきたポルティージョとポジョションを争うことになるだろう。
そうなると、ヴィオラのティフォージはナカータに全盛期のルイ・コスタの幻影を見るだろう。少なくともそれくらい大きな期待を抱いているはずだ。このことはナカータ自身、そしてモンドニコ・コーチもわかっているようで、ナカータはインタビューでルイ・コスタの名前を口にし、モンドニコは完全な状態でなければナカータは起用しないと決意しているように見える。二人とも失敗が許されない状況であることは承知している。そしてパルマ初シーズンでの惨めな失敗を繰り返さないためにも、慎重に事を進めようとしているように感じる。
バティと組んでいた頃のルイ・コスタは、それくらい他では得難いポテンシャルを発揮していた。しかし、バティもルイ・コスタもフィレンツェを去った現在、ティフォージにとって一つの希望であるリガノ-ナカータ・コンビはバティ-ルイ・コスタの黄金コンビを忘れさせてくれるだろうか。彼らを超えるのは決して容易いことではないが、ルイ・コスタとは異なる個性として新たに輝くナカータを見る事ができたら素晴らしいだろう。
とにかく、今は事態を静観しカンピオナートが始まるのをじっと待ってみよう。
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