§ セリエ・ア第18節:パルマ−ボローニャ

関連:Le notizie dei quotidiani italiani(日本語)
関連:湯浅健二氏による記事1
関連:湯浅健二氏による記事2


ボローニャに移って突然輝きだしたナカータ。彼を保有しているパルマと次節対戦するボローニャは、はたしてどのようなゲームを見せてくれるのでしょうか。

ゲーム結果の予想ではなくて、パルマがどうやってナカータを潰しにくるか、また、ボローニャがそれをどうやって阻止するのか、それを考えるのはとても楽しい時間です。

彼の能力からすれば、ボローニャでの活躍は、ホント、当たり前といっていいと思う。というのも、フィジカル・コンディションがまだ完全ではないようなので、これからさらに輝きを増すと思っているのです、私は。

ナカータはイタリア風に言うところのファンタジスタとは違うタイプのジョカトーレで、中盤の、そしてゲーム(そしてボール)の支配者として君臨する、生粋のプレー・メイカーです。イタリア風に言えばレジスタってことになるでしょう。(日本だとトレクアルティスタがプレー・メイカーとして認識されることもあるようですが。それってちょっと違うような気が…。ま、いいや。)

攻守の起点として機能し、ボールのないときのスペースの埋め方、接触プレーでの身体的な強さ、そしてボディーバランス。長短のパスの精度、発想。プレーにおけるすべての面において順調に成長し、今の彼はまさにレジスタとして必要な条件をすべて備えています。今こそ、彼をピッチの中央におくべき絶好の時です。ミステル・マッツォーネはそのことを見逃さず、必要充分に理解していますね。さすがです。

いままでのナカータは、ペルージャ期がピークだと思われていました。確かに、そう思われてもしかたない面はありました。ローマでは、あまりゲームに出られなかったし、パルマでは最初のつまづきがホントに後まで悪い印象をのこしてしまっていたように思います。それもで昨シーズンは右サイドで真に賞賛されるプレーをしていましたが、ミステル・プランデッリとの単なる話し合いが過度に誇張されて確執なんて思われたり。今シーズン前半は、マルキオンニが好調だということもあり、ローマ期のようにゲームにさえ出られないような状態に追い込まれてしまいました。それでも、中央のチェントロカンピスタとして出場していた数試合はいいプレーをしていたので、調子はよさそうだということは傍目にもわかりました。では、なぜパルマで使われなかったのか。それはミステル・プランデッリしかわかりません。

ところで、昨シーズン途中まで右サイドで活躍しているナカータを見ていて、多くの人がナカータのプレーにはっきりとあらわれた質的変化を見抜いていました。それは、ディフェンス面での大きな成長です。オフェンス面で彼がフオリ・クラッセな能力を持っていることは皆が既に知っていました。しかし、昨シーズンのナカータはそれに加えて、ディフェンス面で非常に大きな役割を果たし成果を上げていました。その様子を見ていたアリゴ・サッキなども驚いたようで、新しいヒデを発見した、みたいなことを言っていたのを憶えています。

ここからは、私の勝手な想像です。

パルマでの最初のシーズンの後半、ナカータはメッツァーラとして中盤の左に入ったとき、非常に目立った活躍をしてパルマのコッパ・イタリア優勝にとても大きな貢献をしました。それに加えて、昨シーズン右サイドで見せていたディフェンス面での成果をあわせると、あることに気づきます。ナカータをチェントロカンポの中央で使ったらいいのでは、ということに。
はじめてこれを考えたのはカペッロでした。しかし、そのときはナカータがうまく動くことができず完全な失敗に終わってしまいました。それはそれとして。先ほど挙げた彼のプレーの変化を考えると、今こそ彼をピッチの中央に立たせる時が来たのだ、と思えるのです。
戦術理解度、試合の読み、それにディフェンス、それぞれの面で大きな成長を遂げた彼はピッチの中央に立つための条件をクリアしたように思えます。それに、彼本来の卓越したプレー・メイクのセンスをあわせると…まさに典型的なプレー・メイカーではないでしょうか。
それを証明しているのは、今現在のボローニャでの活躍だと思っています。

さて。それを踏まえて、次節の展開を予想してみましょう。

スポ紙ではナカータをベッペの代役としてトレクアルティカンポで使うのはないかという予想もありますが、恐らく、ミステル・マッツォーネは彼をレジスタとしてチェントロカンポで起用するでしょう。
今のナカータは、ボールの経路における動脈としてきわめて重要な役割を果たしています。今のところ、ボローニャには彼の代わりになれるチェントロカンピスタはいません。つまり、ナカータを上げてしまうと中盤と前線を結びつける要がなくなってしまいます。そんなことをしたら、前線の3人が孤立してしまうことは明らかなので、勝てる見込みがなくなってしまいます。

逆に言うとナカータさえ押さえてしまえば今のボローニャは機能しなくなる、ということでもあります。したがって、プランデッリはナカータを徹底的に押さえ込もうとするでしょう。それは困った…と思うかもしれませんが。そんなことはなくて、それこそボローニャにとってチャンスでもあったりするのです。

今のパルマは基本的に個々の局面での個人技でプレーをつくっていくので、チームとしての連携で崩されることはあまりありません。特にチェントロカンポはナカータを失っているのでクリエイティヴィティが不足しています。従って、深いところから長いパスで一気にアドリアーノに当てにくるでしょうから、アドリアーノにボールを通さなければ、危険度はぐっと下がります。

では、ボローニャがチャンスを得るとしたらどのようなパターンがあるでしょう。それはナカータの作るスペースをどう利用するかが鍵になります。彼が徹底的にマークされるなんていうのは実はよくあることで、そのときナカータは自分を囮にしてスペースを作ることを心がけて動いたいましたよね。今回はその再現となるでしょう。。ずばり、キーマンはネルヴォとターレ。実はパルマの左サイドはちょいと守備が脆い。なんとか隙をついて左サイドを突破すると決定的なチャンスを得ることができるでしょう。ただし、今のボローニャはディフェンスがザルなので最後まで我慢できるかが鍵でしょう。

もしかしたら、パルマにしてみるとやっかいなゲームになるかもしれません。マークしても、また逆に自由に動かせても、ナカータはゲームを支配するのではないかと思います。結果はどうなるんでしょうね。ちょっと楽しみです。

Posted by tomo at January 20, 2004 3:51 PM | CALCIO | TrackBack |

Comments

Post a comment

Thanks for signing in, . Now you can comment. (sign out)
(If you haven't left a comment here before, you may need to be approved by the site owner before your comment will appear. Until then, it won't appear on the entry. Thanks for waiting.)

サイン・インを確認しました、 . さん。コメントしてください。 (サイン・アウト)
(いままで、ここでコメントしたとがないときは、コメントを表示する前にこのウェブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)


Remember me?