§ 劇団四季<マンマ・ミーア!>

劇団四季 ステージガイド マンマ・ミーア
劇団四季公演情報
保坂知寿

複雑なプロセスを経てなぜかチケットが手に入ったので、11/29(土曜)に劇団四季の<マンマ・ミーア!>を見た。この舞台もけっこうロングランで、翌日(11/30)が1周年記念だったらしい。

自分から見に行くことなんて絶対にないと言ってもウソにならないくらい、ミュージカルは見ない。オペラはときどき見るのに。本当は興味はないんだけど、とても大切に想っている人からチケットをもらったのでその人のかわりに見るつもりで見に行った。

自慢にはならないが、なぜかミュージカルは劇団四季の公演しかみたことがない。もちろん、ロンドンやブロードウェイでも見ていない。そのせいかミュージカルにはあまりよい印象がない…。そんなわけで、あまり期待しないで見に行ったのだがトータルして見ると予想よりはよい感じの舞台だった。

ストーリーは公式サイトで。
主要な曲のほとんどはABBA(←これ正確な表記じゃないけど。)の曲。まだホントに子どもだった頃聴いたことのある曲がたくさんあった。懐かしいことは懐かしいんだけど、当時は子どもすぎてなんの感情もなく受け入れていたので、今聴いても当時と同じようにすなおに聴いてしまってなんだかハマれない。でも曲自体は美しいものが多いので聴いていて悪い気はしない。

だからと言ってまったく違和感がないわけではなかった。とにかく、あの「四季風」の演技に馴れるまで30分くらいかかった。とにかく馴れるまではなんとも居心地が悪い。一番気になるのは身振り。いかにも説明的で饒舌すぎる箇所がいくつもある。そう感じてしまうのは、舞台を見慣れていないせいなのか、それとも演出過剰なのか、役者のセンスなのか、…わからない。でも、同じ舞台に立っている俳優によっては心地よく受け入れることができる人もいたので、理由は単純なのかもしれない。ダンスは総じてレベルが向上しているのがわかった。それは素直にうれしかった。

だだし。音楽は???が散在。この公演とは関係ない一般的な感想だが、日本のカンパニーによる公演で何が嫌かというと、とにかく音楽的な悦びが少なすぎるのが嫌い。なんでサラ・ブライトマンみたいな人が日本にいないのだろう???以前聴いた<ライオン・キング>はかなーりマズかった。とにかく安心して耳を任せる気になれないほどマズいときがある。

まぁ、それはそれとして。誤解のないように先に書いてしまうと、女声陣は総じてなんとか聴けるレベルをキープしていた。メイン・キャストの一人、保坂知寿は声そのものに魅力が薄いのが難点ではあるけど、語り口のうまさで聴かせてくれるので納得してちゃんと聴ける。演技の自然さ(決して動きが小さいというわけではない)と相まってかなりチャーミングに見えた、というか単純に惚れた。あの人はもう一度見たいかも。前田美波里はステージで見ると魅力が3倍くらい増幅される。すげーかっちょいい!あのなが〜い足は間違いなく見とれる。顔のつくりも派手だし、場面によっては立ってるだけで絵になる。体ばかり褒めたけど、歌もそれなりに表現がついてきていたし演技も自然で基本的な動きがキレイ。全体的に欠点がすくなくて安心して楽しめた。平野万里は体型はともかく(笑)さすがに歌はしっかりしていて、声も魅力的でちゃんと聴ける歌を歌っていた。もっとソロがあればよかったのに。残念。この3人はよかったとおもう。(吉沢梨絵は力入りすぎでちょっと演技過剰な部分がひっかかったけど後半は馴れた。若い女の子たちはみんなおんなじ傾向だった。)

好調の女声陣に対して男声陣は総じて「もっとがんばりましょう」。誰とは言わないけど後半サムに割り当てられていたソロの一つはかなーりマズい出来だった。悪い意味でハラハラして聴けなかった。とにかく格段に歌がマズい。(なんとかなんないのかしら。マジで。)芝居も、もっと自然さを感じさせてくれるようなしなやかさが欲しかったし。その中でも栗原英雄はわりとよかったけど。

音楽については最後に一言。アレンジが平凡。最もなんとかしてほしい部分。…っていうか、いちばん手っ取り早くがんばれるところぢゃん!音色の選び方が平坦なせいで、しばらく聴いていると馴れちゃって先の展開が読める。オリジナルを意識したいのはわかるけど、長いんだからさ、もっとメリハリつけて聴かせてくれよ。

素人がえらそうにグチを書いた。彼らの努力を認めないわけじゃないけど、やっぱりエンタテインメントなわけだからもっと心から楽しみたい。

とにかく「もっと音楽を!」って感じ。

Posted by tomo at December 3, 2003 3:37 AM | MUSIC | TrackBack |

Comments

ちょうど昨日見てきたところです。こちらの感想にすっごーい同感です。なんといっても圧巻は前田美波里。保坂さんについてはあの鼻にかかった震え声が好みではないと思いました。若手さんたちもがんばってるなーーという感じ(つまりあたたかく見守るモード)、それから男性陣に対しては確かに、実に物足りなかったです。今覚えているのは「knouwing me knouwing you」、特に盛り上がりに欠けて???という感じだったと。とにかく全般に「もっと!力強い歌声を」くれーって思いました。 ちなみにサラ・ブライトマンも好きです。多くのうちのひとつのタイプだと思いますが、ああいう、びりびりくる歌声が欲しいです。

Posted by: ko-rin at December 19, 2003 1:53 PM

オペラでも同じなんだけど、ミュージカルの場合はさらに音楽が大切な表現の軸だと思います。

もし音楽に強い説得力がなかったら、俳優が芝居しながら歌わなければならない理由が欠けてしまう。「なぜそこで歌いだすの??」と感じさせてしまったら、ミュージカルそのものの存在意義に疑問符がついてしまう。

舞台における歌とか音楽って感情の高まりの延長線上にしか存在しないんです。芝居では表現することのできない大きな心の動きの表現を補い高めるために必要なんです。だから音楽に魅力が薄かったら、歌う必要なんてなくなってしまう。単純にダンス付きの音楽が聴きたければ、ストーリー性の薄い普通のショーで充分楽しめる。

なぜミュージカルでなければならないのか。その問いに答えてくれるような舞台をいつも期待しているのですが・・・。
でも、みなさんがんばっているようなので、これからの発展に希望を託すことにしています。

Posted by: tomo at December 22, 2003 2:59 PM

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